バンライフを自作ハイエースで1年間、実践したYaiYu(@yusukeyaida)です。
車のDIYの中でも特に重要なカスタマイズの一つ「断熱材」の設置。
私がハイエースで「バンライフ」を始める前にまず行ったDIYが「断熱材」をいれることでした。
この記事では、そんな断熱材について、種類や施工の方法などを実践を踏まえてお伝えしていきます!!
断熱材をいれることによって快適なバンライフが送れました!
車に使用できる断熱材の種類
まずは断熱材の種類についての解説。
世の中には様々な断熱材が存在します。
しかし、全部を解説することは数が多すぎて難しいので、車の施工がしやすい断熱材をピックアップして説明していきます。
まず断熱材は、大きく2種類に分けることができます。
- 繊維系断熱材
- 発泡プラスチック系断熱材
さらに、この2種類の中で一般的によく使用される断熱材が以下の7種類。
- グラスウール
- ロックウール
- セルロースファイバー
- シンサレート
- ポリスチレンフォーム
- ウレタンフォーム
- フェノールフォーム
この中から、車の断熱材としてどれを選べばいいのか?解説!
断熱材を選ぶチェックポイント
車に使用する断熱材を選ぶときにチェックするポイントは、家に使う断熱材でも全く同じポイントの以下の6点。
- 燃えにくいかどうか?
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?
- 湿気に強いのか?
- 熱に強いのか?
- 施工時に気密がとれるのか?
- 防音性
6の防音性は、車中泊しているとき周りの音がけっこう聞こえるんで特に重要。
繊維系断熱材の解説
まずは繊維系断熱材の4つから順番に解説していきます。
- グラスウール
- ロックウール
- セルロースファイバー
- シンサレート
グラスウール
グラスウールとは、ガラスを高温で溶かし、綿状にした細い繊維の集まりのこと。
細い繊維同士が絡まり合うことによって空気を閉じ込め、軽量かつ断熱性の高い素材として活用することができます。
グラスウールの特徴
グラスウール最大の特徴は「値段が安い」ことです。
価格面では断熱材の中でもトップレベルなので、幅広く家に使われており、実際に車にも多くの方が使用しています。
写真のようにきれいに隙間なく入れ施工すると断熱効果も非常に高いのです。(実際の私のハイエースの写真)
グラスウールはスペースに対して多すぎても少なすぎても効果が薄れます。
ギュウギュウにすれば効果高まるだろうと思ってもたくさん入れたところで、本来のグラスウールの断熱性を最大限生かしきれていません。
そしてグラスウールを選ぶ際に一番大事な項目が「ホルムアルデヒド」の存在です。
グラスウールはもともと繊維状になっているものを、接着剤でボード状に固めているのですが、その接着剤の原料がホルムアルデヒド。
常温ではホルムアルデヒドが飛散することはありませんが、加熱することによって揮発して大量に飛散する可能性があります。
グラスウールを燃やしてみると、石油のような匂いがします。
それは接着剤成分のホルムアルデヒドが揮発して空気中に飛散しているからなのです。
JIS規格品に該当するグラスウールにおいては、建築材料としての評価はホルムアルデヒドの発散が最も少ない最高のランク( F☆☆☆☆) に該当しており、建築基準法における使用制限を一切受けることなく使用できます。
車に使用するからこそ、身近に接する物なので、安いのでいっかとamazonでぽちっとするのではなく、JIS規格で製造されているグラスウールはどれなのか、しっかりと調べ決めることが大事ですよ!
圧倒的におすすめのグラスウールは「旭ファイバーグラス アクリア アクリアマット」です。
しっかり気密シートで覆われ、様々なサイズが選べ、防音性まであり、製造会社はしっかりとJIS規格で製造しているとHPにも記載されている圧倒的な商品力です!
グラスウールのまとめ
- 燃えにくいかどうか?→燃えにくい!
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?→ほとんど出ない!
- 湿気に強いのか?→しっかり覆えば問題ない!
- 熱に強いのか?→強い!
- 施工時に気密がとれるのか?→入れすぎず少なすぎず!
- 防音性→ある程度の防音性はあり!
- バンライフや車中泊ユーザーの多くはグラスウールを断熱材
- 安価でどこでも手に入り断熱性が高い
- 湿気に弱いのでしっかりと敷き詰める
- JIS規格のものを選ぶことで燃えた際にも有毒ガスが発生しにくい
- 「旭ファイバーグラス アクリア アクリアマット」がおすすめ
私もグラスウールでDIYしたので、本記事の後半で紹介します!
ロックウール
ロックウールは、ケイ酸と酸化カルシウムを主成分とする鉱物を溶鉱炉の中で1500〜1600℃で加熱し、遠心力などで吹き飛ばすことで繊維状にしている断熱材です。
ロックウールの特徴
ロックウールのいちばんの特徴は熱に強く燃えにくいことにあり、600℃まで加熱しても形状を維持することができます。
防音性はグラスウールを上回っており、低周波から高周波まで優れた吸音性能を発揮します。
さらに、ホルムアルデドに関してはグラスウール同様にJIS規格内で製造されたロックウールは安全などで問題なしです。
しかしながら、素材そのものが湿度に弱く、扱いが難しいのが難点。
車の中は湿気るので、ロックウールの使用は難しいかも。
ロックウールまとめ
- 燃えにくいかどうか?→非常に燃えにくい!
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?→ほとんど問題なし!
- 湿気に強いのか?→湿度に弱い!
- 熱に強いのか?→断熱材の中でも特に強い!
- 施工時に気密がとれるのか?→ある程度の技術は必要!
- 防音性→とても優れている
- バンライフや車中泊ユーザーのほとんど使用しない
- グラスウールの重さが8倍あるので車の燃費にも良くはない
- 防音性が高く車全体ではなく1部に使用する人は割といます
セルロースファイバー
セルロースファイバーは、回収した新聞古紙を主原料にして作られた、環境に優しい断熱材です。
セルロースファイバーの特徴
セルロースファイバーの特徴は、
- 湿度調整
- 防音性
- 防火性
- 防虫効果
に優れているところです。
元の素材が紙類なので、セルロースファイバーは湿気を吸ったり吐いたりしてくれる呼吸する素材。
これにより湿度が安定し、湿気をコントロールすることにより、壁の中でカビや腐れ菌が繁殖するのを防ぐことにつながります。
調湿性能はグラスウールにもロックウールにもない特徴です!
そんな素晴らしいセルロースファイバーですが、最大のデメリットがあります。
それは、素材が綿のような状態なので、グラスウールやロックウールのように市販で購入して敷き詰めることはできず、確実にプロに施工していただかないといけません。
セルロースファイバー自体がグラスウールやロックウールよりも価格が高い上に施工はプロにお願いしなければならないのでコストは確実に高くなります。
車に予算は問わない!という方はいいかもしれません。
セルロースファイバーまとめ
- 燃えにくいかどうか?→燃えにくい
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?→ほとんど問題なし!
- 湿気に強いのか?→湿度に強い!
- 熱に強いのか?→強い!
- 施工時に気密がとれるのか?→プロに任せる必要がある!
- 防音性→とても優れている
- すでに完成しているキャンピングカーなどには使用されているかも
- プロの施工が必要でDIYには向かない
- 繊維系の断熱材においてはかなりの高性能かつ高額
- DIYで施工するなら他の断熱材の方がいいかも
シンサレート
「シンサレート」とは、「高機能中綿素材」と呼ばれ、今や布団やダウンジャケットに多く使用されている、一般的な断熱材です。
シンサレートの特徴
シンサレートは近年、車の断熱材に使用する方がかなり多くなってきた新しい素材。
- 湿度調整
- 防火性
- 防虫効果
などが高く、何より「吸音性」が圧倒的に高いため、車中泊やバンライフでの寝ている時の音対策にかなり優れています。
シンサレートのまとめ
- 燃えにくいかどうか?→燃えにくい
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?→ほとんど問題なし!
- 湿気に強いのか?→湿度に強い!
- 熱に強いのか?→強い!
- 施工時に気密がとれるのか?→比較的簡単に施工可能
- 防音性→最も優れている
- 最近ではバンライフや車中泊ユーザーに多く使用されるように
- 価格面でグラスウールより高くなるのでお財布と相談
- 繊維系断熱材で私は最も優れていると思います
- 繊維系全般に言えることですが床の施工には向かず、サイドや天井に使用しましょう!
- 新素材なため、やや高額
今からバンライフを始めるなら私はシンサレートを選びます!
発泡スチロール系断熱材の解説
さてここまでは、繊維系断熱材を見てきましたが、ここからは「発泡プラスチック系断熱材」を解説。
ポリスチレンフォーム
「ポリスチレンフォーム」とは「発泡スチロール」のこと。
その断熱性の高さから、最近では、「発泡スチロールのクーラーボックス」なんかも流行ってきてますね。
ポリスチレンフォームの特徴
みなさんご存知の通り発泡スチロールのメリットは、「値段が安く」「水はまったく吸わないし結露もできない」点です。
ただ、「圧倒的に熱に弱い」というデメリットがあります。
性能は悪くないのですが、市販で売っている発泡スチロールの断熱材は「変形性には優れていない」ので、車の丸みを帯びた形状に対して敷き詰めることはかなり難しいと考えます。
しかし、車の断熱に最適な場所もあります。
それは「窓」の断熱です。
実際に私のハイエースにも、窓にポリスチレンフォームを切り取って貼り付けています。
窓の断熱材に関しては、専用のものもたくさん販売しているのでDIYしなくても手に入るのですが、安く済ませたい方はポリスチレンフォームをおすすめします。
後で実際にDIYした流れをお伝えします!
ポリスチレンフォームのまとめ
- 燃えにくいかどうか?→すごく燃える!
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?→でません!
- 湿気に強いのか?→最強!
- 熱に強いのか?→すごく弱い!
- 施工時に気密がとれるのか?→プロの作業で可能!
- 防音性→ものによるがある程度の防音性はある
- 火に弱い以外は高性能
- 変形させることが難しいので車の側面での使用は不可
- 私は窓の断熱材にDIY
- 商品名は「スタイロフォーム」
ウレタンフォーム
「ウレタンフォーム」は、ポリイソシアネートとポリオールという成分を、発泡剤や触媒などと一緒に混ぜてできた材料です。
ソファーのクッション材、まくら、食器洗い用のスポンジなどにウレタンが使用されています。
ウレタンフォームの特徴
ウレタンフォームには
- 硬質ウレタンフォーム
- 発泡式ウレタンフォーム
の2種類があります。
硬質ウレタンフォームは固いため、丸みのある車の使用には不向き。
一方、発泡式ウレタンフォームはスプレー状のものが市販でも販売されており、車にも吹き付けることが可能になります。
ただ、最大の欠点として、燃えると有毒ガスであるシアン化水素を発生し、これを吸い込むと最悪の場合、意識喪失、あるいは死を招くこともあります。
ネットで新聞などを見ていると、火事で何人もの人がこのウレタンフォームの施工の家で死んでいるのです。
現在ではウレタンフォームもどんどん改良されていってはいるものの、危険度のあるものは狭い車内で使うことはやめておいた方が賢明だと言えます。
ウレタンフォームのまとめ
- 燃えにくいかどうか?→燃える!
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?→シアン化水素(危険)
- 湿気に強いのか?→強い!
- 熱に強いのか?→すごく弱い!
- 施工時に気密がとれるのか?→ある程度の技術が必要!
- 防音性→ものによるがある程度の防音性はある!
- 燃えるとシアン化水素ができるものもある
- 湿気には強いが熱に弱い
- ウレタンフォームは車の断熱材にはおすすめではない
フェノールフォーム
「フェノールフォーム」はフェノール樹脂に種々の変性を行い、発泡硬化させて得られたもので、発泡プラスチックの中でも、熱的・化学的に最も安定した性質で最も断熱性があります。
フェノールフォームの特徴
フェノールフォームは、発泡スチロール系の断熱材の中でも、上位に安定した素材です。
実際に車中泊をした際に、やはり床からの冷気がかなり車内を冷やすことが解り、フェノールフォームは「床断熱」に最も適していると判断しました。
なかなか高額な商品ですが、ここはしっかりとお金をかけておくと、車中泊生活に安定感が増しますね!
フェノールフォームのまとめ
- 燃えにくいかどうか?→燃えにくい!
- 燃えたときに有毒ガスが発生しないか?→でない!
- 湿気に強いのか?→めっちゃ強い!
- 熱に強いのか?→めっちゃ強い!
- 施工時に気密がとれるのか?→施工に工夫は必要
- 防音性→あり!
- 発泡スチロール系の断熱材の中でも、上位に安定した素材
- 柔軟性はないので、床や天井などに使える
- 高額
車に最適な断熱材は結局どれなのか?(施工場所別)
さてここまで6種類の断熱材を見てきましたが結局、車の断熱材に適したのはどれなのでしょうか。
まず車内において断熱する場所は主に、
- 車の側面、天井などの丸みを帯びた場所
- ドア付近や窓付近の狭い場所
- 床
この3点になります。
そして、それぞれの場所に施工する一番最適な断熱材はチェックポイントの結果から、
- グラスウール or シンサレート
- グラスウールor シンサレート
- フェノールフォーム
と判断しました。
車の側面、天井などの丸みを帯びた場所の断熱材
車の側面、天井などの丸みを帯びた場所の断熱材は、グラスウール or シンサレートで間違いなし。
選んだ理由としまして、丸みのある車体に施工するため「繊維系」の断熱材でないとしっかりと機密性を高めなければならないため。
グラスウールは繊維系素材の中で、安く、施工しやすく、軽い!施工の範囲が広い為、高額な断熱材は採用しにくいですね。
なので圧倒的に「旭ファイバーグラス アクリア アクリアマット」のグラスウールでしょう!
またグラスウールの上位互換として「シンサレート」がおすすめです。
コストをかけられる方はシンサレートにしましょう!!
ドア付近や窓付近の狭い場所
ドア付近や窓付近の狭い場所は、車の側面、天井などの丸みを帯びた場所と同じ「繊維系」の断熱材が最適です。
床
床に施工する断熱代は、弱点のないフェノールフォームになります。
形状は固形ですので天井や側面に施工はできず、値段も高いですので床に敷き詰めるだけということと、一番安定した素材なので下からの冷気や暖気を遮断してくれるということで採用です。
ただ、高額なので予算と相談です・・・
私が実際に行った車の断熱材DIYのご紹介(ハイエース)
最後に、私が実際に行ったハイエースに行ったDIYのご紹介。
DIYを行う前のハイエースの車内の様子です。
DIY後のハイエースがこちらになります。(見えていないところにも断熱材が入っています)
今回のDIYでは「床」の断熱と「車の側面」の断熱と「窓」の断熱を行い、
- 床:グラスウール
- 車の側面:グラスウール
- 窓:ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)
を採用。
シンサレートにしたいところですが予算オーバー!
床の断熱DIY
床の断熱は、中古のハイエースバンを購入したので、前のオーナー様が床を木でしっかりと補強されておりました。
まずは床の補強を取り除き、
さらに掃除。
ここで、旭ファイバーグラス アクリア アクリアマット で覆っちゃいます!
床一面に敷き詰めたら、また元に戻す!
車の側面の断熱DIY
次は車の側面の断熱ですがこちらは簡単でした。
実際はハイエースのバンに限られるかもしれませんが、まず側面を「内張りはがし」で剥がしていきます。
そしてまたグラスウールを詰め込んでいきます。
ギュウギュウに押し込むのではなく、ふわっとした感じで敷き詰めるのがコツです。
窓の断熱DIY
最後は窓の断熱になるのですが、これが一番大変でした。
まず、窓の型をとるために新聞などでマークします。(黒の線が窓枠)
新聞紙や黒線に沿って切り取り、それを型にスタイロフォームに型取りしていきます。
切り刻むのに必要なグッズは「スチロールカッター」。
よく切れるので、ストレス解消に(笑)
スタイロフォームは、切りすぎると元に戻せないので、少し大きめに切って調整することをお勧めします!(失敗談)
それと同じ大きさのプラスチック段ボールを粘着テープで貼って重ねることで、遮光性が上がり、格段に車内が快適になります!
プラスチック段ボールとスタイロフォームの接着には、凹凸面でも対応できる強力両面テープが簡単です!
隙間は結露の原因にもなるので、最終隙間が出たら、テープで埋めます。
今回は、こちらの強力粘着テープで隙間を埋めました!
はじめは隙間があって窓との間に結露があったのですが、しっかり隙間を埋めると結露がなくなりました!
断熱材は車を大きく変えるDIY
今回はハイエーススーパーロングバンに関しての断熱と遮光のDIYになりましたが、皆様のどんな車であっても断熱することは燃費の向上につながります。
また今回、紹介したDIYはあくまでも1例でありますので、皆さんのDIYのアドバイスなどもコメントくださると嬉しいです。
車中泊する際において、冬の寒い時期には断熱材が必須であり、遮光することによって夏の暑い日差しによる車内の温度の上昇を防いでくれます。
断熱材の導入で、さらに最高のバンライフや車中泊を楽しみましょう!
バンライフについて詳しく解説している記事もあるので併せてご覧ください!
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