バンライフを自作ハイエースで1年間、実践したYaiYu(@yusukeyaida)です。
近年、若者を中心に急増している車で移動しながら旅するように暮らすライフスタイル「バンライフ」。
また、「オフグリッド生活」に近く、移動できる観点から「災害に強い」生活としても注目されています。
そして私は、2019年から2020年にかけて「完全バンライフ」、つまり家を引き払って車に移住した実践者であります。
バンライフを始める際に、もっとも迷ったのが「どの車でバンライフを始めればいいのか?」。
迷った車は以下の3つになります。
- ハイエース スーパーロング
- フォルクスワーゲン・タイプⅡ(通称ワーゲンバス)
- ベンツ・トランスポーター(通称ベントラ)
最終的には、総合面でハイエースを選びましたが、ベンツ・トランスポーターも憧れの車でした。
そこで、本記事ではベントラはどんな車で、バンライフに適しているのか?実践者として考察していきます。
ベントラとは?
ベントラとは、「メルセデス・ベンツ」1995年に販売された「スプリンター」という車です。
もともとが商用車として設計されていることもあり、欧州では「宅配サービス」や「バス」として幅広く活用されていました。
主に荷物を運ぶ車を「トランスポーター」と呼ぶことから、ベンツ社が販売しているトランスポーターで「ベントラ」と略して呼ばれているのです。
日本で販売する際には、すでにトヨタ社が「スプリンター」という車を販売していたため、「T1N」という名称で、正式に販売されていました。
販売期間は2002年から2006年までとなっており、現在は日本では新車販売は行われていません。
だから日本にはめちゃくちゃ数が少ないんです。
海外では今でも進化を続けていて、「4WD」なども登場し、商用車というより「アウトドア」方向にどんどん進化しています。
バンライフや車中泊にベントラはどうなのか?
ではそのカッコいい見た目とバカでかいサイズ感においてはまさに最強の車ベントラ。
しかし、車中泊やバンライフする車と考えたときに実際はどうなのでしょうか?
バンライフの経験からメリットとデメリットを考察。
メリット
まずはメリットとして下記が挙げられます。
- バンライフや車中泊に適した大きさ
- 見た目がカッコいい
- エンジンが丈夫
- 燃費が割といい
バンライフや車中泊に適した大きさ
ベントラは「全長・全高」の大きさのバリエーションが豊富で、自分が求めるバンライフや車中泊のスタイルに合わせた大きさを選ぶことができます。
大きさは下記の5種類。
- ショートボディ・ノーマル
- ショートボディ・ハイルーフ
- ロングボディ・ノーマル
- ロングボディ・ハイルーフ
- ロングボディ・ダブルハイルーフ
大きさを比べる車として、私が実際にバンライフで使用している「ハイエース スーパーロングバン」と比較して表にまとめていきます。
比較表 | 全長 (cm) | 幅 (cm) | 高さ (cm) |
---|---|---|---|
ハイエース スーパーロングバン | 538 | 188 | 224 |
ショートボディ・ノーマル | 524.5 | 199.3 | 243.5 |
ショートボディ・ハイルーフ | 524.5 | 199.3 | 272 |
ロングボディ・ノーマル | 591 | 199.3 | 251 |
ロングボディ・ハイルーフ | 591 | 199.3 | 282 |
ロングボディ・ダブルハイルーフ | 591 | 199.3 | 305 |
やはり1番ハイエースと異なるところが「高さ」でしょう!
ハイエース内では、身長が172cmの私では真っ直ぐ立つことができなかったのですがベントラの場合、ノーマルのルーフであっても20cmほど天井が高くなるので真っ直ぐに立つことができます。
見た目がカッコいい
やっぱりベントラは、見た目がかっこいいです!
さまざまなタイプがあるので、全てがかっこいいとは言えませんが、おしゃれなキッチンカーに多く採用されていることから、見た目は素晴らしいと言わざるを得ません!
エンジンが丈夫
トヨタのハイエースもエンジンに関しては文句ないのですが、さすがのベンツさん、エンジン系統が丈夫に製造されています。
元々、商用車として荷物を運ぶために製造されたのものなので、長距離を走る想定で作られています。
ディーゼルエンジンは、しっかりとメンテナンスすることで、20万kmは余裕で40万でも60万でも走ると言われています。
燃費が割といい
ベントラは、車体が大きいので燃費が悪いと思われがちですが、リッターで「10km前後」は走行します。
しかもディーゼルエンジンだと「軽油」で動くため、ガソリン代は意外と安いです。
ハイエーススパロンも、大体同じぐらいの燃費なので、案外、商用車というのは燃費がいいものなのです。
デメリット
いいところもたくさんありましたが、ではなぜ、現在では日本で販売されていないのでしょうか?
それは、やはり日本に適していないところがあるからです。
- 車体価格の差が大きい
- パーツが高額
- 修理できる場所が少ない
- 車のある程度の知識が必要
- 駐車できる場所が少ない
車体価格差が大きい
ロングボディ・ハイルーフのベントラの現地価格は3万ドルから4万ドル程度となっています。
そして日本では輸入業者が販売しているので、平均乗り出し価格は約600万円程度が相場かなと思います。
購入検討していましたが予算オーバー!!
第1世代、つまり2006年よりも前のベントラであれば、価格は100万円台から200万円台前半が相場となっている様子です。
しかし、古いのを買ってしまうとメンテナンス費用がべらぼうなので気軽に買うのはやめておいた方が賢明です。
パーツが高額
メンテナンス費用が高いと解説しましたが、メルセデス・ベンツは言わずと知れたドイツの車メーカーです。
日本のトヨタやホンダなどに比べて、パーツは輸入する必要があり高くなりがちです。
さらに、メルセデス・ベンツの他の車であれば日本でも販売されているので解決できるのですが、ベントラの場合は日本で現在は販売されていません。
先ほど、古いベントラは安いと言いましたが、中身のエンジンや小さな部品の劣化がかなり進んでいる状況の可能性が高いので、走れば壊れ、直し、また走れば壊れ、直しとなり結局、新品を買った方が安くついたということが多々あるそうです。
ディーラーさんとしっかり話して購入を決めてくださいね!!
修理場所が少ない
車中泊やバンライフをする人は、長期で遠出をする人が多くいます。
では、道中にベントラの修理が必要になった場合どうすればいいでしょうか?
メルセデス・ベンツの店へ持って行っても、ベントラを知らない人も多く、修理不可な場合があります。
もし修理できるところが見つかっても数が少なく、レッカーで長距離持っていかれ、修理後も取りに行くのも困難な場合が多いあるようです。
車の知識が必要
私は正直、車を修理する能力が「ゼロ」です。
しかし、知識ゼロの人がベントラを買った場合どうでしょうか・・・
古いベントラだと、定期的に、メンテナンスをし、部品を交換していく必要があります。
ハイエースだと、ほぼどこでも修理可能なので問題ありませんが、ベントラの場合、その頻度とパーツの高さと、修理できる人の少なさ故に、自分である程度、処置する必要があります。
知識ゼロの方は、中古ではなく新車を購入し、近くのディーラーさんを確保しておくのが必須かなと思います。
駐車場所に困る
そして、私がハイエースを選んだもっとも大きな理由として駐車場所の確保です。
まず、高さですが、日本はこのハイエーススーパーロングが最大の高さの乗用車的な存在なので、イオンモールや、小さなパーキングでは上限の高さになっていルことが多くあります。
大体は「2.3m」なので、ハイエースはギリギリ入れるんですよね。
しかし、ベントラは、高さがハイエースよりも20cm高いので、入るのを諦めないといけない場所はかなり出てきます。
全長に関しても同じです。
ショートボディであれば、ハイエースと変わらないので、全国の駐車場に停めることが可能ですが、ロングボディになると、もう普通の駐車場に収まらないので、バス乗り場などに置く必要があります。
ワーゲンバスは特別な存在
最後にベントラが、車中泊やバンライフに適しているところと適していないところをまとめます。
- バンライフや車中泊に適した大きさ
- 見た目がカッコいい
- エンジンが丈夫
- 燃費が割といい
- 車体価格の差が大きい
- パーツが高額
- 修理できる場所が少ない
- 車のある程度の知識が必要
- 駐車できる場所が少ない
まとめた結果、もしベントラでどうしても全国を周るんだという方は、新車の「ショートボディ・ハイルーフ」がベストでしょう!
- 全長はハイエースと同じぐらい
- 高さはハイルーフでなくても、すでにオーバーなのでハイルーフを選ぶべき
- ロングボディはもはやバスなので普通の駐車場に入れない
そして、車に知識がなく、メンテナンスや修理など全くできない方は、大人しくハイエースやキャラバンを購入した方が無難だと思います。
私は結果として、バンライフにハイエースを選んで正解だったと思いました。
では、車中泊で全国の旅や、車の中で生活しながらオフグリッドを楽しむバンライフを送って、豊かな暮らしをお楽しみください!
バンライフについて詳しく解説している記事もあるので併せてご覧ください!
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